高分子と低分子
最近注目を集めているのが
キチンオリゴ糖やキトサンオリゴ糖です
1987年4月8日の日経産業新聞
に「エビ・カニの殻から抽出したキトサン
に抗がん効果」の見出しで、東北大学
の鈴木茂生教授の研究グループが
キトサンの抽出物がガンの転移抑制など
強い抗がん効果をもつことを確認した
と報じています。
このときつかわれた「キトサンの抽出物」が
N-アセチルキトヘキサオースと呼ばれる
キチンオリゴ糖の6糖なのです。
動物実験だったにもかかわらず
この実験結果が発表されたことで
キチンオリゴ糖は一躍注目を浴びる
ことになります。
鈴木教授の実験内容については
後述するとして
まずキチンオリゴ糖やキトサンオリゴとは何かに
焦点を当ててみましょう。
キチンやキトサンはもとは高分子です。
キチンを形成しているN-アセチルグルコミサン
を仮に△で表せば、△△・・・・・・・・・と数千万つながって
いるので、そのつながりを2個~10個ぐらいに切断
したものが、キチンオリゴ糖です。
数個の分子から形成されているので、
低分子と呼ばれています。
また、キチンやキトサンを多糖類、キチンオリゴ糖や
キトサンオリゴ糖を小糖類ともいいます。
オリゴ糖の「オリゴ」とは「少ない」という意味で、
単糖(ブドウ糖や果糖など分子構造的にそれ以上
分解されない最小単位の)が数個結びついたものの
総称です。
仮にN-アセチルグルコミサンを△で表せば
「△△」がキチンオリゴ糖の2糖
「△△△△△△」ならキチンオリゴ糖の6糖
ということになります。
同様に、グルコミサンを仮に▲で表せば
「▲▲」がキトサンオリゴの2糖
「▲▲▲▲▲▲」ならキトサンオリゴ糖の6糖
というわけです。
人間の体に与える影響だけに限ってみても
高分子と低分子では大きな違いがあります。
まず第一に、高分子のままでは体に吸収
できないということです。
「えっつ、ではキトサンを飲用しても体に吸収
できないことになりますね。
体に吸収できないのなら、何の成果も
期待できないはずですが」
そんな疑問がわいてきます。
キチンやキトサンは体の中にある酵素によって
分解され、キチンオリゴ糖やキトサンオリゴ糖の
形で吸収されることが分かってきました。
ですから、話をわかりやすくするために
単純化すれば、酵素の助けを借りなければ
体に吸収されないキチンやキトサンを飲むよりmお
キチンオリゴ糖やキトサンオリゴ糖を飲んだほうが
体に吸収されやすいということです。
「では、キトサンを飲むよりもキトサンオリゴ糖を飲むほうが
いいんだな」と思いたいところですが、
そうとばかりいえないのです。
ここがまた難しいところなのですが、
低分子(オリゴ糖)の形になってしまうと、
高分子としてのキトサンが持っている食物繊維
としての成果や抗菌作用などの成果が
失われてしまうというのです。
2012-07-14 06:31
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