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乳腺粘液癌はサブタイプに応じた治療戦略の検討が必要










予後良好といわれる乳腺粘液癌であっても
3つのサブタイプに分けられ、
一部の乳腺粘液癌では有意に再発率が高く、
個別化した治療戦略の必要性が示唆された。



6月28日から熊本で開催された
第20回日本乳癌学会総会で、
大阪市立大学大学院腫瘍外科
の中本健太郎氏が発表した。




 乳腺粘液癌(MBC:mucinous breast carcinoma)は
全乳癌の1.3~5.4%を占め、特殊型乳癌としては
小葉癌に次ぐ頻度で認められる。



乳腺粘液癌の組織型分類として、
浸潤性乳管癌の成分を含む混合型
(MMBC)と含まない純型(PMBC)に分けられる。
PMBCはさらにhypocellular variant(PMBC-A)
とhypercellular variant(PMBC-B)に細分類される。



 今回、中本氏らは、同施設にて乳癌手術
を実施した症例1041例のうち、乳腺粘液癌42例
(4.0%)について、3つのサブタイプ別に
比較検討を行った。観察期間中央値は5.8年だった。




 各症例数は、MMBCが15例、PMBC-Aが17例、
PMBC-Bが10例で、うちリンパ節転移陽性は6例、
ホルモン受容体(HR)陽性39例、HER2陽性は1例だった。




乳腺粘液癌と非乳腺粘液癌とに分けて検討した結果、
臨床病理学的には乳腺粘液癌で腫瘍サイズ2cm以上
だった症例、HR陰性例、HER2陰性例が有意に多かった。
全乳癌症例と乳腺粘液癌症例の術後無病生存期間
を比較した結果、無病生存期間における
有意差は認められなかった。



一方、乳腺粘液癌の再分類別に術後無病生存率
を比較した結果、PMBC-Aに比べて、
MMBCは有意に無病生存率が低かった。

 

また、リンパ節転移が認められた乳腺粘液癌
6例のうち4例で再発しており、サブタイプ別にみると
、MMBCでの再発例が3例、PMBC-Bが1例だった。


PMBC-Aではリンパ節転移が2例で認められた
にもかかわらず再発はなかった。
再発が多かったでは、PMBCに比べて腫瘍径が大きい、
また顕著にKi67発現が多く核異型度が高いという特性が認められた。




 今回の検討結果から、粘液比率が高いPMBC-Aはリンパ節転移
があったとしても予後が良いこと、乳腺粘液癌では
HR陽性/HER2陰性例が多く、特にPMBC-AではLuminal Aタイプ
が多かったこと、乳腺粘液癌の中でもMMBCは比較的予後が悪く、
異なった生物学的特性を持つ可能性が示唆されると考えられた。





 中本氏は、「乳腺粘液癌はNCCNガイドラインでも
画一的に予後良好な組織型としてワンランク下げた補助療法が
推奨されているが、本研究からは再分類による個別化した
治療戦略を考慮すべきと示唆される」と結論付けた。
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